遺言書には様々な種類がある/遺言書の基礎知識
一口に遺言書といっても法律で7つの形式が定められています。その7つの中で、一般的な遺言の方法である3つの方式による遺言書(普通方式と呼ばれています)のメリットデメリットを以下、解説します。
解説する3つの遺言形式
自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、言葉どおり、遺言を自分自身が直筆で書いた遺言書の事です。
ですから、法律専門家等の他人が代筆した場合などは自筆証書遺言には該当しませんし、法律的に自筆証書遺言として認められる為には以下の要件やポイントを全て満たしておく必要があります。
自筆証書遺言のポイント
遺言書の全文を自分で書く
これは遺言を残そうとする人間が自ら直筆しなければいけませんし(家族の代筆もNG)、ワープロ等の機器を使う事も認められていません。
氏名、日付を入れる(自分で書く)
遺言者の氏名(芸名や通称ではなく、戸籍上の氏名がベター)は勿論、遺言書の作成日時も自筆する必要があります。印鑑や日付スタンプではダメです。
又、日付は「平成6年3月吉日」など、詳しい日付が特定できない書き方は無効となってしまいますので注意が必要ですが、。 日時の書き方に規定は無く、特定できればOKですので、漢数字でもアラビア数字でもOKです。
押印する
通常は氏名の下に押印します(法的には押印の場所に細かな規定はありませんが)。認印でも実印でも構いませんが、拇印は可能であれば
避けた方が良いでしょう。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
メリット
全て自分だけで遺言書を完成させる事ができる。特別や用紙や手続きが要らない為、金銭的な負担がかからない。
デメリット
法律上の決まりが煩雑で、ちょっとでも要件を欠くと、法的に無効になってしまう。又、相続発生時に遺言書が発見されない場合もあり、遺言書を開封する際には検認
といって家庭裁判所での手続きが必要。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言の内容を相続が発生する時まで周囲に秘密にしておきたい場合に作る遺言書の事です。
秘密証書遺言のポイント
遺言者が遺言書に署名押印をし、封印する
秘密証書の場合は遺言書本文は自筆でなくてもOKですので、署名だけ自筆で書き、押印し(押印についても自筆証書遺言のケースと同じです)、それを封筒に入れ、押印に用いた印を使って自分で封印をします。
証人等の前で申述する
遺言者が公証人と証人2人(2人以上であれば何人でもOK)の前に封印済みの遺言書を提出し、自分の遺言である事と自分の名前、住所を
申述します。
証人等の署名押印
公証人が、封書提出日、遺言者の申述内容を記載し、遺言者とその証人もそれに署名押印します。
秘密証書遺言のメリット・デメリット
メリット
遺言に関する証人が居る為、遺言書の存在がわかり、その内容を保てる。
デメリット
証人や公証人の前で一定の承認手続きが必要。自筆証書遺言と同様、遺言書開封の際に家庭裁判所での検認が必要。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、遺言書の内容の草案を自身(または専門家等の代理人)が作成し、それを基に公証人が最終的に作成する遺言書の事です。
その名の通り、遺言書が公正証書として作られる事になります。
公正証書遺言のポイント
公正証書は公証人しか作る事ができない為、事前に遺言書の草案を自身で作っておくか、弁護士などの法律専門家に作成してもらい、それを公証役場に持参し公正証書を作ってもらいます。
その場で公証人に対して遺言内容を口述するすが、内容の漏れ等を考慮すると、事前に草案をまとめておいた方が良いでしょう。
証人2人以上の立会い
公証役場で遺言内容を口述する際には証人2人以上の立会いが必要です。
公証人に遺言内容を口述
遺言者が公証人に遺言の内容を口述、それを公証人が筆記し、筆記後、内容を遺言者と証人に読み聞かせる。
遺言者、証人、公証人の署名・押印
公証人が筆記した内容に誤りが無ければ遺言者、証人、公証人各自がこれに署名・押印しそれを公証役場で保存する。
公正証書遺言のメリット・デメリット
メリット
専門家が作成に関与する為、遺言形式や法的なポイントを損なう事が無い。又、公証役場で保管する為、遺言書を紛失する恐れも無く安全。開封の際の検認は不要。
デメリット
手続きの為の時間や費用、証人が必要。遺言の内容を秘密にしておくこともできない。
普通方式以外の残りの4つの遺言形式とは何か?
前のコンテンツで遺言には7つの形式があると説明しました。そのうち3つを取り上げた訳ですが、残りの4つはどんな遺言形式なのでしょうか?
特別方式の遺言書
特別遺言とは、簡単に言うと、「死の危険に瀕していて、普通方式の遺言を残す事ができない場合に認められている遺言形式」の事で、
- 死亡危急者の遺言
- 船舶遭難者の遺言
- 伝染病隔離者の遺言
- 在船者の遺言
の4つがあります。これら4つは遺言の中でもかなりレアケースであり、ペットへの遺産相続とはテーマがちょっとずれますので、このサイトで深い解説をする事はしません。





